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今回は「紫外線ケア徹底ガイド・その2」の続きで、「日焼け止めの紫外線防御剤」についてお話しします。
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SPF50+/PA++++の日焼け止めは必要ない!?【紫外線ケア徹底ガイド・その2】
うぱさんこんにちは!元・化粧品原料屋さん、現・美容ライターのうぱさんです♪ 今回は、前回の記事に引き続き、紫外線ケア徹底ガイド・その2をお送りします。 前回の記事を読む? 日焼けだけじゃなく、シワ ...
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前回は日焼け止めのSPF/PAの意味と、数値による日焼け止めの選び方をお伝えしました!
が、もう一つ日焼け止め選びに関わってくるのが「紫外線防御剤」。
日焼け止めを調べてるとよく、
紫外線吸収剤...
散乱剤...
ノンケミ...
なんて単語を聞きますよね。
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そこで今回は、
「紫外線吸収剤って肌に悪いのか?」
「ノンケミカル処方のほうがいいのか?」
という点について、化粧品業界で学んだ経験からお話したいと思います。
目次
結局のところ、どっちがいいの?
結論から言うと、どちらとも言えません。
結論になってないですね。笑
正確に言うと、
・どちらもメリットデメリットがある
・どちらかと言えばノンケミカル処方がいい
・私も基本的にはノンケミカル処方を使う
・でも紫外線吸収剤は完全悪ではない
といったところでしょうか。
化粧品成分は白か黒かで判断しにくい
というのも、これは紫外線防御剤だけの話ではなくなるんですが、化粧品原料っていい悪いの判断が結構むずかしいんですよね。
何かと嫌われがちな化学合成原料もいいイメージの天然原料も、それぞれに良い点・悪い点があるので...。
100%悪いと言える化粧品原料って結構少ないんじゃないかなぁと思います。
紫外線吸収剤=ダメとも言えない
なので、紫外線吸収剤についても100%悪者かと言われると「ハイ!」とは言えないですね。
ただ、やっぱり紫外線吸収剤の方がデメリットが多いのも事実。
なので私は、紫外線散乱剤のみでつくられたノンケミカル処方の方をどちらかと言うとオススメしたいところです。
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紫外線吸収剤・紫外線散乱剤、その違いとUVカットのメカニズム
日焼け止めやUVカット効果を持たせたアイテムには、紫外線を防ぐ「紫外線防御剤」が入っています。
この「紫外線防御剤」には、
・紫外線吸収剤
・紫外線散乱剤
の2種類があります。
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紫外線吸収剤・紫外線散乱剤の違いって?
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤。
その共通点は「紫外線を肌の中に入らせない」こと。
しかしそのアプローチ方法には、
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して防ぐ。
紫外線散乱剤は、紫外線を反射させて防ぐ。
というように違いがあります。
紫外線吸収剤のメカニズム
・紫外線を吸収し、肌に紫外線が入るのを防ぐ
・吸収した紫外線を熱などのエネルギーに変えて放出する
紫外線散乱剤のメカニズム
・紫外線を反射させて肌に紫外線が入るのを防ぐ
・肌の上に薄いベールをつくり、紫外線を跳ね返す
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よく使われる主な紫外線吸収剤
日焼け止めに使われている主な紫外線吸収剤はコチラ。
なお、これらの紫外線吸収剤は、配合規制のあるポジティブリストに載っています。
主な紫外線散乱剤
そして、日焼け止めに使われている主な紫外線散乱剤は、酸化チタンと酸化亜鉛の2つです。
この2つの成分は無機粉体で自然にあるもの。
そのため、紫外線散乱剤だけで作られた紫外線吸収剤フリーのものをノンケミカル処方といいます。
(酸化亜鉛とか化学合成してつくられると思うのだがそれはケミカルではないのか?という疑問は置いておく)
それぞれのメリット・デメリットを比較!【紫外線防御剤】
そんな紫外線吸収剤・紫外線散乱剤ですが、それぞれにいい点・悪い点があります。
メリット・デメリットをざっとまとめてみましたので、見てみましょう。
ざっくりとまとめるとこんなところですね。若干、紫外線吸収剤の方がデメリットが多いかなという感じ。
それでは、それぞれの気になる点について説明します。
紫外線散乱剤の白浮き・使用感
紫外線散乱剤で出来た日焼け止めのデメリットといえば、白浮きと粉っぽい使用感。
昔は”ノンケミカル処方”というと白浮きがひどくて嫌がられてましたが、最近は透明性の高い散乱剤も開発されて、かなり改善されています。
紫外線吸収剤配合品に比べるとクリームの伸びはやっぱり敵わないものの、高SPF/PAでも使用感がいいものもあります。なので、白浮きや使用感といった点は今はそこまで気にならないかな〜と思いますね。
紫外線吸収剤の乾燥・刺激
紫外線吸収剤の最大のデメリットは、肌への乾燥や刺激ですね。
乾燥の原因は、紫外線吸収剤の性質にあります。
紫外線吸収剤は紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出します。このエネルギー放出の際に水分を一緒に奪っていってしまうのです。
また、紫外線吸収剤は角質層の奥の方まで浸透してしまうため、肌への刺激となりやすい原料です。
実際に刺激・乾燥を感じる
実際、敏感肌ではない私でも、紫外線吸収剤メインでつくられた日焼け止めを使うと、何とも言えない違和感・刺激を感じます。
ヒリヒリまではいかないんですが、チクチクする感覚が苦手です。
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欠点を改善した「カプセル化紫外線吸収剤」も!
私のように吸収剤で乾燥や刺激を感じる…
お子さんに使いたい...
という人にオススメしたいのが、カプセル化紫外線吸収剤という原料。シリコーンで出来たマイクロカプセルに紫外線吸収剤を包んでいるので、
・角層内に浸透しにくい
(肌の上にカプセルが並ぶ)
・安全性が高い
・低刺激
・乾燥しにくい
・ぎらつき、ベタつきが少ない
というように、紫外線吸収剤のデメリットをほとんど改善しているんですね。
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欠点としては、海外製品にはまだほとんど配合されていないこと...。比較的新しい原料で、しかも日本のメーカーさんのものなので、日本の日焼け止め・UVケアアイテムに限定されます。
「カプセル化紫外線吸収剤」配合製品の見分け方
カプセル化紫外線吸収剤入り製品を見つけるポイントは、全成分表示。UVケアアイテムで「ポリシリコーン-14」(マイクロカプセル素材)が書いてあれば、この原料です。
また、パッケージやwebサイトの商品説明に「カプセル化紫外線吸収剤配合」と書いてあるパターンが多いので、見つけやすいと思います。
よーく似た名前で「ポリシリコーン-15」と言う原料があるんですが、これもまた紫外線吸収剤の一つ。「ポリシリコーン-14」とは別原料なんですが、従来の紫外線吸収剤よりも安全性が高く低刺激な吸収剤です。とっても有名な海外原料で、日本でも海外でも使われています。
紫外線吸収剤がサンゴの白化に影響?
そして乾燥・刺激のほかにもう一つ、紫外線吸収剤のデメリットの中で無視できないのが「環境への影響」ですね。
欧州をはじめとした先進国では、紫外線吸収剤が環境・人体に及ぼす影響について研究がなされています。その中でも今問題視されているのが「海洋生物への影響」。
パラオ・ハワイで吸収剤入り日焼け止めが禁止?
最近では、2020年1月からパラオで。そして2021年1月からハワイで、一部の紫外線吸収剤が配合された日焼け止めの販売・流通が禁止となりました。
ハワイでは、オキシベンゾン・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)の2つが禁止。
パラオではその2つに加えて、オクトクレリンなどが禁止に。
というのも、研究でオキシベンゾンはサンゴの幼生の成長を妨げ、一部のサンゴに有毒であるとの結果が出たとのことなんですね。
<参考:パラオ、有害成分含む日焼け止めを全面禁止 世界初/BBC News Japan/米ハワイ州、サンゴに有害な日焼け止め禁止へ/BBC News Japan>
しかし反対意見もある
一方で、これには反対意見も。
「サンゴの白化は気候変動や海洋酸性化によるもの」
「紫外線吸収剤の濃度は影響のないレベル」
という環境専門家の意見・調査報告もあったり、また、「日焼け止めの皮膚がん予防効果のデータに対して、サンゴの白化データは数が少なくて信憑性に欠ける」という声も。
可能性があるなら避けたいところ
現時点では研究結果もまだ少なく、何とも言えない状況です。
ただ、酸化チタン・酸化亜鉛に比べて生分解性が低いであろう紫外線吸収剤。海に蓄積して問題となる可能性は十分にあり得ると思います。
今はノンケミカル処方でも高UVカット・ウォータープルーフの日焼け止めもたくさんあるので、海に行くときはそういったものを選ぶといいかもしれません。
まとめ
というように、紫外線吸収剤はデメリットがちょっと多めです。
私自身、実際に刺激を感じてるのもありますし環境への影響も気になるので、やっぱりどちらかと言うとノンケミカル処方をオススメしたいですね。
ただ、紫外線吸収剤と言っても低刺激なものも出てきてるので、絶対にダメ!とは思いません。特に、カプセル化紫外線吸収剤入りの日焼け止めは本当にいい!
敏感肌さん・乾燥肌さん、
そして赤ちゃんやお子さんにも。
一度使ってみてください〜〜!!
<今回の記事・参考書籍:化粧品成分ガイド 第6版/化粧品成分検定公式テキスト[改訂新版]>
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